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エネ総研 次世代原子炉SMRテーマに報告

 エネルギー総合工学研究所は22日、次世代型原子炉として国内外で開発が進む、小型モジュール炉SMRをテーマに、第448回月例研究会をオンラインで開催する。同研究所原子力技術センター原子力グループの都筑和泰・部長が「国内外におけるSMR開発の概況」、07年に米国オレゴン州立大学発のベンチャー企業として設立された、ニュースケールパワー取締役の藤野真司氏が「NuScale社のSMRの概要及び今後の取組」について紹介する。
 1基あたり30万㎾以下のSMRは、従来の原子炉と比べて小型であることから、立地場所や安全性の確保がしやすいのが特長。さらに、ユニットを組み立てることで設置でき、建設コストの抑制も見込まれており、様々な目的での活用が期待されている。SMRの社会実装に向けて、各国政府は、企業における研究開発を支援しており、エネ総研で原子力グループを牽引する都筑部長は、様々な炉型の開発が進むSMRについて、各炉型の特長や開発経緯を詳説すると共に、国内外の開発・導入計画の現状を紹介する。
 ニュースケールパワーは、SMR開発の先駆者として、これまで米国エネルギー省からの支援を得ながらSMR開発を進めており、中部電力も出資する。23年11月に、売電先の確保などを理由に、初号機プロジェクトの中止を発表したものの、米国内で最も審査が進むSMRとして注目されている。同社開発のSMRは、従来型原子力としての活用のほか、水素製造、再生可能エネルギーとの併設による負荷調整、老朽化石炭火力の代替など、多様な用途を想定。安価でクリーンな電力需要が高まる、米国内外でプロジェクトを推進しており、そうした同社の取り組み概要について、22年から同社の取締役を務める藤野氏が紹介する。