エネ庁 高速炉実証炉概念設計の進め方整理
経産省エネ庁は、高速炉実証炉の概念設計を開始するにあたり、炉システムと燃料サイクルに対する、研究開発(R&D)の考え方を整理した。概念設計期間として、26年度までをフェーズ1、27~28年度をフェーズ2と位置付けてR&Dを進める。炉システムについては、フェーズ1で主に、炉システムの設計成立性を確認するための評価を実施。27年度からは、それまでの成果を反映して設計の見直しを行い、設計評価手法の検証を進めると共に、主要機器の設計成立性に関する工学規模の試験に着手し、一部のデータを取得する。
その上で性能評価を行い、安全性、経済性などの開発目標への適合性見通しを確認する。耐震性、耐熱性、ガス巻き込み、スロッシング、自然循環崩壊熱除去、シビアアクシデントなどの評価手法については、概念設計期間中に開発を進める必要があり、フェーズ1では、現状の手法を高速炉実証炉で採用する、タンク型に改良できるように改良し、その手法を用いて設計評価を実施する。
燃料技術の具体的な検討に向けた、燃料サイクルのR&Dでは、MOX燃料と金属燃料炉心を対象に取り組み、フェーズ2で燃料製造実証施設などの概念設計開始を目指す。安全性、経済性を含めた実用システムの性能評価や、MOX燃料については軽水炉ウラン燃料の再処理をベースに、追加開発する部分の技術的見通し、金属燃料サイクルでは燃料製造、再処理において、米国で実績のある技術導入の可能性を評価する。実証炉燃料製造施設などの許認可に向けて同庁は、26年度までに実証試験計画を明確にする。
![](http://www.denjiji.co.jp/wp-content/themes/twentysixteen%20_child/img/main_article/reading_btn.png)