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国交省 面的な高齢者見守りでスマートC推進

 国交省は、スマートメーターなどのデジタルツールを活用した、面的な高齢者の見守り手法の構築に向けて、今後重点的に取り組む方針を示した。先進的技術、官民データなどを用いて、まちの課題解決や新たな価値を創出する、「スマートシティ(SC)」の社会実装を図るため、これまでに個別地域の課題解決に寄与する、多様なテーマの取り組みを推進。一方で、国として集中的・戦略的に、デジタル変革に取り組む必要性が増大している―との判断に基づき、①地域における面的な見守りのデジタル化、②災害リスク情報などを含めた、まちづくり計画のデジタル化、③リアルタイムでの環境情報の提供などによる、回遊の高度化(暑熱対策)―の3つの分野における、先進的・独創的なアイディアや知見・ノウハウ、技術・サービスなどの情報提供依頼(RFI)を、今月29日まで実施するもの。
 このうちスマートメーターを活用して電力なども取り組む、高齢者の見守りサービスについて同省は、世帯単位を対象とした見守りを地域に広げ、面的な見守りを実現する技術開発を想定。同技術を用いて異常を検知した際に、地域組織などによる迅速な対処を可能とする体制・システムの構築を目指す。具体的には、スマートメーターをはじめ、対象者となる高齢者が携帯する端末、都市の中に設置したセンサー・カメラなどを活用し、対象者の異常をメールやアプリで迅速に検知、対処する総合的な手法の確立を図る。
 また、まちづくり計画のデジタル化支援ツールに関する情報提供を求める②では、災害種別ごとの災害リスクを可視化し、地域防災計画と都市計画などの一体化を支援する手法や、まちづくり計画を作る際の人流データ、消費動向などのデータ利活用手法の開発を想定。まちづくり計画の効率化・高度化を図ることで、都市の防災力向上を目指す。
 ③では、夏期の高温化や猛暑期間の長期化が進行する中で、デジタル技術を活用し、住民・来街者の快適性低下を防ぐと共に、地域経済の維持を考慮した、回遊性向上策の確立がテーマ。エリアの気温、地表温度、日陰情報などの情報をリアルタイムで取得し、可視化・発信する技術をはじめ、ルート提案などによる来街者の行動変容促進、現地の対策オペレーション高度化などの情報を広く募集する。