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エネ庁 洋上風力公募見直しで選定事業者対応

 経産省エネ庁は、再生可能エネルギー海域利用法に基づく洋上風力公募の第4ラウンドにおける制度見直しについて、第1~3ラウンド選定事業者への対応を示した。再エネの主力電源化に向けた切り札として、導入を推進する洋上風力は、大規模かつ総事業費が長期間にわたり、収入・費用の変動リスクに対応できる事業組成を促進することが、投資の確実性を高めていく上で重要―との判断から、洋上風力への電源投資を完遂させるための制度を検討。事業実施の確実性を高める、規律強化・環境整備に向けて、第4ラウンドを迎える洋上風力公募における、迅速性評価や保証金制度、IRR(内部収益率)の引き下げ、価格評価点などを見直す。

 このうち迅速性評価については、港湾の利用可能期間を踏まえて、最速の運開時期を設定している現行制度を見直し、事業者選定から運開までの期間約6年を基準点に定めた上で、5年6か月を満点(20点)とし、半年ごとに2点減点する評価を、各海域共通に導入する。
 保証金制度に関しては、撤退や遅延を抑止する観点から強化する。デンマーク、オランダ、ドイツでの同制度を参考に、各国における最新の保証金額の平均を、確実な事業実施を担保する、日本の第3次保証金額として設定し、第2次保証金額も併せて変更。第3次保証金は現行の㎾あたり1万3000円から2万4000円、第2次保証金は同5000円から1万円に見直す。保証金は、迅速性評価の点数が下がる半年ごとに順次没収し、2年以上の遅延で全額没収する。これらの制度見直しについて同庁は、洋上風力を確実に完遂させるため、選択的な措置の適用は認めず、第4ラウンド以降の応札・落札事業者へ一律に適用する。
 一方で、第1~3ラウンドの選定事業者に対して、新たな措置を一律に適用することは、事業の予見可能性を損なうことから困難―と指摘。ただし、事業の撤退・遅延の抑止、洋上風力への電源投資を確実に完遂させる観点からは、保証金制度の見直しを含む制度見直しを受け入れる事業者については、見直し後の措置を適用することを提案した。
 同事業者に対しては、選定されたラウンドの公募占用指針の変更(保証金制度の見直し、価格調整スキーム)を行い、その後、変更された指針に基づく計画変更申請を求める。同変更申請が妥当であるかの判断については、学識経験者または第三者委員会の意見を聴取する。同措置の適用により、価格調整スキームは、同措置適用後の将来の物価変動のみが、基準価格・調達価格に反映されることとなる。