エネ庁 計画認定に基づく水素拠点整備支援へ
経産省エネ庁は来年度から、水素社会推進法の計画認定制度に基づく、拠点整備支援を開始する。今年5月に成立した同法により、大規模サプライチェーンの構築に向けて、既存原燃料との価格差に着目した支援をはじめ、拠点整備支援、保安規制の合理化・適正化に対する特例措置を整備した。価格差に着目した支援事業には、国庫債務負担行為を含めて総額4570億円、今年度予算89億円を確保しており、水素などのサプライチェーン構築として、供用開始から15年間で総額3兆円規模の支援を実施する見通し。
拠点整備にあたって同庁は、水素などの大規模な利用拡大につながり、様々な事業者に広く裨益する設備に対して、重点的に支援する。具体的には、低炭素水素などを、荷揚げ後の受け入れ基地から、需要家が実際に利用する地点まで輸送するのに必要な設備であると共に、民間事業者が、複数の利用事業者と共用するパイプライン、タンクといった設備の整備費の一部を、①FS、②設計、③インフラ整備―の3段階で支援する。今年度は「水素等供給基盤整備事業」として、北海道電力、東京電力エナジーパートナー、関西電力、JERAなどがそれぞれ参画する10件のFSを採択しており、6月から各地域で調査を開始している。
一方で、低炭素水素などの供給・利用を早期に促進するため、国が前面に立って取り組む方針を定めた水素社会推進法では、低炭素水素などを国内で製造・輸入して供給する事業者や、エネルギー・原材料として利用する事業者が計画を作成し、国が認定する計画認定制度を創設。認定を受けた事業者に対して、価格差に着目した支援や、拠点整備支援を行うもので、来年2月末までを予定する、拠点整備のFSの状況などを踏まえて同庁は、第2段階となる拠点整備設計に対する支援の申請受け付け時期を検討する。