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ニュージェック、ニシム電子工業 GD賞受賞

 ニュージェックとニシム電子工業は、今年度のグッドデザイン(GD)賞を受賞した。957年に通商産業省(現経産省)による「GD商品選定制度(通称・Gマーク制度)」の創設以来、67年にわたって優れたデザインを顕彰してきた同賞は「日本で唯一の総合的デザイン評価・推奨の仕組み」(経産省)として、工業製品やサービス、イベント活動などの幅広い領域を対象に、これまでに5万件超に上る受賞対象を選出してきた。 第三者からの推奨ではなく、当事者による応募の中から選定するのがGD賞の特徴で、現在は公益財団法人の日本デザイン振興会が主催している。

 今年度の受賞対象は、ニュージェックが、大阪府の委託を受けて、星田逸郎空間都市研究所と協力して行った「安威川ダム堤体および周辺施設」の設計。府の公営ダムとして、大林組・前田建設・奥村組・日本国土開発JVの施工で、22年に完成した同ダムの「自然に馴染むデザインと景観との統一、さらに府民の学習の場、憩いの場となるアースワーク公園としての機能や、大地に優しいロックフィルダムのデザイン性が非常に見事である」(審査委員会)と評価された。
 同様にニシム電子工業は、18年に商品化した、完全自己処理型水洗トイレ「TOWAILET(トワイレ)」で受賞。トワイレは、浄化処理技術と再生可能エネルギー蓄電システムを搭載した、有事または被災地向けのトイレで、微生物による浄化作用と膜ろ過処理によって、汚水を「匂わない洗浄水」として再利用することができる独自スキームの画期的製品。電源は太陽光発電+蓄電池で稼働可能で、コンパクトなサイズのためトラックに積載して災害現場に搬送できる高い融通性を持つ。既報のように同製品は、東日本大震災の際に救護活動に当たった熊本赤十字病院の「被災地のトイレ環境を改善したい」とのニーズに応えて「生活インフラが寸断された場所でも、平常時と同じように衛生的に使えるトイレ」のコンセプトで開発したもので、製品のユニークなデザインに加え、災害の激甚化が進む現在「ライフラインが寸断された際の深刻な2次被害や感染リスクを軽減し、IоT機能による遠隔検知で故障対応も迅速に行える点は特筆される」(同)と評価された。

 今回の受賞により両社には、受賞対象事業・製品に対して、知的財産権である「Gマーク」を使用できる特典が付与される。