JOGMEC 北海道の地熱開発を全国に発信
エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、地熱開発への理解促進に向けて、北海道電力が進める地熱資源を活用した独自の取り組みなど、北海道における地熱開発の広報を推進する。高い地熱ポテンシャルを有する北海道では、北海道電、東京電力ホールディングスなどの電力をはじめ、様々な企業が地熱開発に取り組んでいる。新規有望地点の開拓から、個別地点での調査・探査・開発といった、地熱資源開発のそれぞれの段階に対応した支援策を、経産省と共に実施するJOGMECは、岩手県八幡平市、秋田県湯沢市と並んで、北海道森町を地熱開発のモデル地区として19年に認定。同町では、北海道電が982年に、道内初、全国で8番目の地熱発電所として、森地熱(2.5万㎾)を運開している。同地熱では、還元熱水の一部を熱交換し、キュウリやトマトを栽培する温室ハウスで活用すると共に、生産された野菜を使用したご当地グルメ「森ライス」を開発するなど、安定的な熱資源利用の取り組みを展開する。
さらに北海道電は、森地熱を通じた情報交換会の定期開催や新エネビジョンの作成、学生を対象とした新エネ見学会を実施。これらの取り組みについてJOGMECは、地熱資源を活用した産業振興であると共に、地熱事業者と地元の対話の場を設定するなど、他の地域への模範となるモデル事業―として、専用ウェブサイトでの広報などを通じて支援する。さらに、北海道電などの優れた取り組みを全国に発信する広報事業の一環として、今月21日には「地熱シンポジウム」を函館市で開催。北海道における地熱資源開発の様々な取り組みを中心に、地熱ポテンシャルの高さや地熱開発の現状、地域・自然との共生、地熱開発の課題などについて、有識者による講演、議論を通じて紹介する。
基調講演では、北海道電執行役員の坂井淳・再生可能エネルギー開発推進部長が登壇し「明るい未来を切り拓くクリーンエネルギー地熱」の演題で、同社の取り組みなどを紹介。第2部のクロストーク「地熱がもたらす将来の展望について」には、電力中央研究所サステナブルシステム研究本部の窪田ひろみ・上席研究員が参加し、他の登壇者と共に、地熱が生活にもたらす恩恵、展望などを語る予定。