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電取委 一送電による顧客満足度向上を評価

 電力・ガス取引監視等委員会は、「レベニューキャップ制度」に基づく事業計画で、一般送配電事業者が示した「顧客満足度」の取り組みについて、従来に比べて顧客認知度の向上が見られることを確認。特に、今年1月に発生した能登半島地震の際には、情報発信が有効に行われたことを高く評価した。さらに、同計画目標の「災害時の連携推進」に関しては、全国大の取り組みとして災害復旧資材・役務融通訓練を実施し、災害発生時の各事業者間の役割り・業務一連の流れなどを体系的に理解。東・中・西地域共同訓練により、事業者が復旧工事に関する相互応援の実効性や、仕様統一された工具の有効性を確認したことを評価した。
 監視委は、昨年4月から導入された新たな託送料金制度における、目標計画の期中評価を進めているところ。同制度では、5年間の規制期間に「達成すべき目標」を明確にした事業計画の作成が、一送電に義務付けられている。同計画は、18項目と多岐にわたると共に、定性的な項目などの先行して確認可能な項目と、各事業者からの実績報告を基に確認する項目があるため、同委は3回に分けて、計画に対する進捗状況や成果、課題の有無などを確認した上で、評価を行う。このほど開催した2回目の審議にあたる料金制度専門会合では、目標項目のうち顧客満足度、災害時の連携推進、安全性・環境性への配慮―の3項目を確認した。
 顧客満足度に関して一送電は、主に需要家向けに、災害対応を目的としたSNSによる情報発信、ステークホルダーに対する満足度調査などを実施。小売り電気事業者に対しては、顧客対応力の強化施策などに取り組んでいる。災害対応を目的とした、SNSによる情報発信などについて同委は、各事業者がPR活動を行うことで、従来に比べてSNS登録者数の増加や、発信頻度が高くなっている事業者を確認。能登半島地震の際には、実際の情報発信も多数行われ、顧客から肯定的な反応があったことを指摘した。
 ステークホルダーに対する満足度調査の実施については、目標に掲げた事業者が計画通り開催しており、実施後のアンケートでは、同取り組みに対して、肯定的な反応が多かったことを確認。具体例として、中国電力ネットワークの取り組みを挙げて高い評価を示した。同社は、具体的な評価指標を用いて、顧客満足度を定量的に評価することを目標としており、電取委は、23年度の評価結果が93・3%と目標計画の90%を上回り、アンケートの分析結果を、社内の全事業所へフィードバックしていることも評価した。