ほくでん情報T DX事業者認定で取組加速
ほくでん情報テクノロジー(HIT)は、経産省から「DX事業者」に認定された。DX認定制度は、デジタル技術による社会変革に対して、経営者に求められる事項を同省が取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DX推進の準備が整っている―と認めた企業を、国が認定する制度。北海道電力グループで唯一の情報通信事業を営む同社は、これまで管理間接部門を中心に、各部門で実施してきたデジタル化への取り組みに関して、DXの加速を図るため、今年4月に「HIT—DXの取り組みについて」を策定。経営層を含む全社横断的なミッションを「HIT—DX」と称して、DX戦略に位置付けており、そうした取り組みが、デジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態―であることを認められたもの。
同社は、DX戦略領域を①業務プロセスの効率化・高度化、②デジタル技術による最適なシステム開発、③新たな顧客サービス創出のための投資、④DX人材の育成・確保―と定めて、デジタル技術を活用した業務プロセス、ビジネスモデルの変革を目指す。また、北海道電グループが以前から導入する「トヨタ式カイゼン」を、デジタル技術の活用にも加えて効率性・生産性の向上を図るなど、働き方改革や従業員の意識変革に取り組む方針を提示している。
DX戦略の推進にあたっては、新たに立ち上げた「HIT—DXプロジェクト・チーム」が中心となって、全社横断的なDX推進メンバーを配置。DX推進の戦略・方針や具体的な実行計画を策定する。管理間接部門などからの業務課題については、システム開発部門と協議を行いながら、DXによる課題解決に向けて、一丸となって取り組む。同社の魚住元・社長は、全国と比較して人口減少・高齢化が特に進んでいる北海道の実情を踏まえて、人材不足、働き方改革などにおいても、DXの推進が不可欠―と指摘。顧客の価値観やライフスタイルの変容など、急速な経営環境の変化をビジネスチャンスと捉えて、顧客のDXに対するニーズ・期待に応えていきたい―との考えを示している。