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エネ庁 新電力にも災害時の特別な措置求め

 経産省エネ庁は、災害時における自由化部門の小売り料金について、規制料金による措置を踏まえた対応を求める。災害時の電気料金に対する措置として、現行の規制料金では、①特定小売供給約款や託送供給等約款などに規定されている、電気の使用の制限または中止をした場合の料金を割り引く「制限中止割引」、②みなし小売り事業者や一般送配電事業者が災害発生に伴い、電気事業法に基づく認可などを経て、約款以外の供給条件により実施する料金割り引き「災害特例」―を設けており、東日本大震災や今年1月に発生した令和6年能登半島地震でも適用されている。
 このうち制限中止割引については、〇割り引きが適用される需要家に限らず、全需要家に割り引き原資を配分できる、〇システム処理やシステム機能の簡素化によるコスト削減効果を料金に還元する―などを理由に、全ての一般送配電事業者において、来年4月から託送料金での同割り引きを廃止することをこれまでに規定。同庁は、同廃止に伴い、託送料金をはじめ小売り経過措置料金などの規制料金に関して、災害時の特別な措置として、従来の制限中止割引が果たしていた機能と、同等の仕組みを備えると共に、自由化部門の小売り料金についても、託送料金の措置を反映した、災害時の特別な措置を検討することを求めていた。
 託送料金における災害時の特別な措置を、小売り料金でも行うことについて同庁は、みなし小売り10社と大手新電力5社に対して検討状況を確認。このほど開催した、電力・ガス基本政策小委員会において、全15社から、その趣旨に賛同し、対応する意向が示されたことを報告した。
 他方で、一部の新電力からは、現行の料金請求などのシステムが、特定の需要家の基本料金を割り引くなどの仕様となっておらず、特に需要家数が多い低圧区分で、直ちに措置の導入は難しい―との回答もあり、全ての新電力に対して、託送側で措置を講じる来年4月から、一律の対応を求めることは困難―と判断。新電力については、各社の状況を踏まえて、可能な限りの対応を求める考えを示した。