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規制庁 緊急時対応能力向上へ来年度完全移行

 原子力規制庁は、緊急時対応能力の向上に向けて、来年度から新しい仕組みによる事業者訓練へ、完全移行するための取り組みを加速する。21年度から、同能力の向上につながる訓練の在り方、規制の関与について検討を開始。原子力事業者との意見交換を通して、課題を抽出すると共に、事業者と共通認識の得られた、各課題に対する改善策について、有効性や適用性を確認するため、事業者の協力を得て、事業者防災訓練での試行を実施してきた。その結果、訓練における改善策として、〇多様なシナリオによる訓練の実施、〇より広範囲な緊急時対応組織の参加・連携を伴う訓練の実施、規制に関しては、〇より広範囲な緊急時対応組織の参加・連携を伴う訓練の評価、〇事業者間ピアレビュー―について、昨年度から本格的な運用を開始した。
 他方で昨年度は、新たな「中期計画」に基づく、継続的な緊急時対応能力の向上など、その他の課題に対する改善策について試行を実施し、当初抽出した各課題の改善案に関する検討・試行が、一通り完了した。規制庁は、これまでの試行結果を踏まえて、今年度は、新たな仕組みによる訓練への移行期間として、事業者が策定した、中期計画の策定要領に基づく、中期計画の確認を行う方針を提示した。
 中期計画に関しては、関西電力を中心に、策定要領の検討を進め、昨年度は代表社において、同要領に基づき中期計画を作成。事業者が行う活動や関連する組織が、網羅的に抽出できること、組織や活動全体を俯瞰し、あるべき姿に照らした訓練の中期的な目標、達成基準が設定できること、中期計画の期間内において、訓練実施結果を適宜計画にフィードバックし、継続的な改善を効果的に実施できること―など、その有効性や適用性を確認しており、来年度から同中期計画に基づく訓練を開始する考えを示した。
 なお、訓練については「自由度を高めたマルファンクションを導入した訓練」を今年度開始。規制の関与では「意思決定および現場実動などの緊急時対応能力の評価」を新指標とする運用を開始する。さらに、第三者レビューの実施に関しては、事業者による自主的な実施を促すため、参考指標として、第三者レビューの実績を確認することを新たに追加する。運用開始に併せて規制庁は、より実効性のある第三者によるレビューが行われているか―の観点で、第三者から有益なコメントが得られ、原子力事業者の緊急時対応能力の向上に有効に活用されているか―を確認する。