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NEDO 水素供給コスト試算ツール構築へ

 NEDOは、国内の様々な水素需要地における、水素供給コストを柔軟に試算できるツール「国内水素輸送シミュレーションモデル」の構築に向けた検討を開始する。水素は、クリーンなエネルギーであると共に、様々な資源から製造が可能で、あらゆる形態で輸送・貯蔵ができることから、国内の脱炭素化やエネルギーセキュリティの向上において、その社会実装が急務となっている。国内水素サプライチェーンを構築し、多様な分野での水素利活用を推進することが求められており、NEDOは、地域性、産業形態など様々な特徴を有する水素需要に応じた、キャリアや供給・輸送手段について最適な手法を選択する上で、未だ一般的でない同ツールの必要性を指摘。各事業者や自治体が、水素利活用の参画を検討するなど、国内での水素社会構築への気運を高めるためにも、将来的なシミュレーションモデルの構築を目指して今年度、基礎調査に乗り出すもの。
 同調査では、同モデル構築の前段として、簡易的な数値計算手法などを用いた、国内水素サプライチェーンの評価分析を行う。また、評価分析に必要な前提条件となる、諸元データを調査・整理すると共に、得られた評価分析結果などを用いて、想定ユーザの事業者や自治体にヒアリングを実施。同モデル構築に向けた仕様や、検討課題を整理する。計算手法は、水素サプライチェーンとエネルギーシステム全体を考慮しながら、評価分析できる手法を想定する。
 諸元データの調査・整理にあたっては、港湾など海外からの大規模輸入水素拠点を起点とした国内輸送から、任意の地点におけるオンサイト型水素製造を起点とした国内輸送まで、国内で将来的に予想される、水素サプライチェーンに関するデータを把握する。水素サプライチェーンに実業として関与する可能性のある事業者や、自治体へのヒアリングでは、国内水素サプライチェーンの評価結果に対する有用性、改善点、要望事項などについて意見を求める。