主な記事 詳細

過去の主な記事

北陸電 越前市と再エネ・省エネプロジェクト

 北陸電力は、福井県越前市と協力・連携し、太陽光オフサイトPPAのスキームを用いた新たな環境プロジェクトを開始する。「行政・市民と事業者が一体となって、50年カーボンニュートラルを目指すための取り組み」(市環境政策課)で、①公共施設への再生可能エネルギー設備の導入、②市民・事業者向け再エネ/省エネルギー設備の導入支援―を骨子とする、環境省採択の「脱炭素社会実現事業~多雪地域で取り組む脱炭素と快適な生活の実現」事業。
 このうち①では、今年度より、アイシンスポーツアリーナ(武生中央公園総合体育館)と、複合施設「あいぱーく今立」に、PPAによる太陽光発電設備(231㎾と36㎾を予定)を設置するほか、来年度からは、市内の16市立小・中学校のうち、老朽化が著しいプールに太陽光を整備する取り組みも開始する。同取り組みに先駆けて、今年度から全15小学校の水泳授業を市内の武生中央公園内室内温水プールで集約して行うように改め、これにより使用する必要のなくなった老朽プールを改修せずに、プールの上に架台を組んでその上に太陽光パネル(40~60㎾を予定)を設け、各校で使う電気の2~3割をまかなう。自家消費に加えて改修費が削減(不必要)できるという副次効果も見込めるため、市は「現在プールがある16校(小15、中1)の半数に28年度までに順次整備する」(同)。太陽光の設置と運営は、北陸電力ビズ・エナジーソリューションが行う。
 また、②では市が、高効率エコキュートの購入補助や多雪地域対応型太陽光設備の設置補助、PPAによる太陽光設備の導入補助、住宅省エネ性能向上に向けた補助―などを行う。このうち高効率エコキュートの購入に際しては「購入費の2分の1、最大で40万円を補助する」方針。公立校では現在、校内プールの老朽化・経年化対策が課題となっており、越前市も「解体だけで数千万円かかるため、財政的に難しかった」と明かす。そのため、市が北陸電の協力を得て開始する同取り組みは全国的にも注目されそうだ。なお、市によれば「使わなくなったプールに太陽光を整備する『未利用資源の活用』は全国初の試みとなる」という。