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環境省 工場の脱炭素支援に電力各社が参画

 環境省は、今年度補正予算で約40億円を計上する「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)」の公募を開始した。意欲的なエネルギー起源CO2削減の目標を盛り込んだ計画を策定する「脱炭素化促進計画策定支援事業」と、同計画に基づく高効率機器導入・電化・燃料転換・運用改善によりCO2排出量を削減し、排出量の算定、排出枠の償却を行う「設備更新補助事業」に対して、補助金を交付するSHIFT事業を推進しており、今年度予算では既に約37億円を確保する。政府が13年度比46%のCO2削減を目指す30年度目標は、産業部門で38%、業務部門では51%の削減を求めており、工場や業務用ビルなどの既存ストックにおける、エネルギー消費効率の改善が重要となっているのを踏まえて同省は、同事業の拡充を図る。
 中小企業などでは、工場・事業場の業態に沿った脱炭素化の具体的な方策に関する情報不足や、脱炭素化の促進に必要な高効率設備の導入コストの高止まりなどから、環境問題の重要性を認識しつつも対応が難しい場合がある。そのため、SHIFT事業のうち計画策定支援では、専門の認定外部支援機関が、エネルギー使用状況やCO2排出状況の診断・評価、効果的なCO2削減の施策提案などを行い、脱炭素化の促進に向けた実施計画を策定する事業に対して、補助金を交付する。同支援で得られた情報については、同省がCO2排出量やエネルギー消費量の削減対策における導入ポテンシャルの把握、普及広報などでの活用を予定する。
 同支援機関には、エネルギー使用に関して豊富な知見を有する、電力各社が認定を受けており、24年度は北海道、関西、中国、四国の4電力と北電総合設計、中部電力ミライズ、北陸電力ビズ・エナジーソリューションが登録している。同支援を希望する事業者は、公開されている支援機関リストの中から、2つ以上の機関に見積もりを依頼した上で選定する。その後、選定した機関との間で支援内容の合意を行い、補助金の交付申請を行う。同省は、同事業を委託する省エネルギーセンターを通じて、応募要件などを満たしている申請の中から、先着順に予算の範囲内で採択する。補助金は100万円を上限に、対象経費の4分の3を交付する。なお、CO2排出量を可視化するDX(デジタルトランスフォーメーション)システムを用いて運用改善を行う「DX型計画策定支援」の場合は、同上限を100万円増額し、200万円を適用する。公募は5月31日まで。