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エネ庁 FIP移行促進へ事業整備の必要性

 経産省エネ庁は、電力市場の価格と連動した再生可能エネルギーの導入を促す、FIP制度の活用促進に向けて、発電量予測や予測誤差への対応、発電計画の策定などについて、発電事業者が効率的に実施するための方策を検討する必要性を示した。同制度への移行に関して情報収集するため、今月11~17日にかけて、運開済みの変動電源のうち、FIT認定を受けている3万5448件に対して、メールでのアンケート調査を実施。太陽光5934件、風力137件、計6071件(回答率17・1%)から回答を得た。
 その結果、現時点において、FIP制度へ移行する考えの有無については、「いいえ(移行する考えが無い)」と回答した件数が57%と半数以上を占めた。一方で、「事業整備されれば検討する」との回答が15%、「はい」の回答も2%存在しており、特に認定年度が新しいほど、同制度への移行に前向きな回答が多い傾向にあることが分かった。
 さらに、「事業整備されれば検討する」との回答に対して、FIP移行のボトルネックについて質問したところ、〇発電量予測が難しい、〇予測誤差への対応が困難、〇発電計画を作る人員・コストが足りない―などの回答が多かった。22年4月の制度開始から1年半が経過した、昨年10月時点でのFIP認定量は、新規認定・移行認定を合わせて約300件(約1GW)に留まっている。そうした現状を踏まえて同庁は、再エネ電源の電力市場への統合を促進する観点から、同制度への移行を促す事業整備を進める考え。
 なお、発電計画の作成やインバランス精算などに関して、技術・ノウハウの蓄積が必要となる点を踏まえて、現在、太陽光、風力といった自然変動電源のFIP認定事業者に対して交付している、バランシングコストについては、発電量予測・予測誤差への対応に要する費用が、交付されるバランシングコストの額よりも高い―との声も事業者から上がっている。他方で、国民負担の抑制を図ることも重要―との判断から同庁は、同バランシングコストに関しては、運開初年度をkWhあたり1.0円とした上で、2年目、3年目については段階的に低減させ、4年目以降は現行制度において定められた額とすることを提案。段階的な低減としては、1年目から4年目までの各年の低減額が均一となるように額を設定する。太陽光は24~26年度までの3年間、風力は24~27年度までの4年間に運開した事業に適用する。