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低炭素協 火力の高効率化推進CO2目標達成へ

 電気事業連合会、新電力などで構成する電気事業低炭素社会協議会は、このほど経産省が開催した、地球環境小委資源・エネルギーWGに出席し、電気事業における地球温暖化対策の一環として、電力各社が進める火力の高効率化に向けた取り組みを例示した。低炭素社会の実現に向けて、電気事業におけるカーボンニュートラル行動計画を策定し、16年に設立した同協議会は、22年6月に同行動計画における30年度目標を改定。政府が示す野心的な「30年度のエネルギー需給の見通し」に基づく、国全体のCO2排出係数「0・25㎏/kWh」実現を目指す目標を掲げた。さらに、その前提として、原子力に対する政策上の位置付けの明確化、立地自治体など関係者の理解・協力と並んで、脱炭素火力の導入促進に向けた環境整備が必要不可欠―との考えを提示。政府による各分野への財政・政策面での十分な支援を求めると共に、火力の高効率化などを進める考えを示した。
 低炭素協は、30年度目標の達成に向けた企業活動や、国際貢献などの取り組みを同WGで説明。中長期的な視点からは、革新的技術の研究開発を推進していることを示した。同研究開発の具体例として、環境負荷を低減する火力技術を紹介。関西電力、JERAがそれぞれ進める水素・アンモニア発電実証や、中国電力とJパワーが出資する大崎クールジェンのカーボンリサイクルプロジェクト、中国電のCO2固定化技術実証、Jパワーの「GENESIS松島計画」を取り上げた。このうち、既設の松島火力2号機(50万㎾)で、新たにガス化システムを導入するGENESIS計画については、年内の着工、26年度の運開を予定しており、同協議会は、CO2を回収・有効利用するCCUSの組み合わせにより、CO2フリー水素発電やCO2フリー水素製造・供給の実現に向けた第一歩―として紹介している。