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東北電、九州電 次世代育成支援に高い評価

 電力各社による出前授業などの次世代育成支援の取り組みが、各地で評判になっている。このうち、東北電力の岩手支店が19年から展開する「東北電力エネルギーチャレンジ校」は、公募によって選出した岩手県内の小・中学校の児童・生徒に対して、社員によるエネルギー出前講座や、栗橋水力(880㎾)などでの施設見学&説明会を行った上で、受講した児童・生徒がそれまでに学習した成果を発表する―という、期間数か月にわたる教育プログラム。今年度の対象校である一関市立東山小学校で11日で行われた同プログラムは、特別授業として4年生の児童36人が、東北電の指導を受けてこれまでに学んだ電気に関する事柄について発表し、特別講師を務めた岩手大学の高木浩一・理工学部教授が総括した。同校では「授業を受けた子は、電気や科学に対する関心が高くなった」としており、今月下旬には「全校児童の前で再度、学習発表会を行う」という。なお、エネルギーチャレンジ校の参加校には同支店から、プログラミングスイッチなどの教育備品が寄贈される。
 同様に、九州電力の長崎支店が「環境・エネルギー教育を通じた次世代層の育成支援」を目的に、昨年4月に長崎県立長崎鶴洋高校と交わした「サスティナブル・ホームタウン(持続可能なふるさと)の実現に向けた包括連携協定」に基づいて展開している「ドローンを活用した出前授業」も、独自の教育カリキュラムとして人気を集めている。同取り組みは要望のあった市内の小・中学校に、履修カリキュラムにドローンを採り入れている長崎鶴洋高校の教諭や生徒を派遣し、操作方法を指導の上、実際にドローンの運転をさせる―というスキームで、九州電が目指す「ドローンサービス事業の一環となる、地域・社会のニーズを捉えた新たな試み」(長崎支店)。18日に長崎市立高尾小学校で行われた出前授業には、3年生の児童70人が参加して、タブレット端末を使って自らプログラムを設定した後、ドローンの自動操縦にも挑戦した。文科省が20年度から、小学校での「プログラミング授業」を必修化しており、高尾小は「高学年になって本格的な授業が始まる前に、ドローンに親しむことができた」と、九州電と同校の指導に感謝している。