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地銀協 電力と連携し一括で住所変更可能に

 全国地方銀行協会は、電気事業者などの協力を得て、転居などのライフイベントに伴う諸手続きを、ワンストップで行う基盤整備に向けた検討を開始する。全国の地銀による共同事業として、「生活基盤プラットフォーム(仮称)」構想の実現を目指す考え。引っ越しなどのライフイベントに伴って発生する、市区町村への転出入届けや、電気・ガスの供給契約における住所変更などは、それぞれ異なる方法で行う必要があり、諸手続きのワンストップ化、オンライン化を実現することで、同手続きの煩雑さを解消する。
 同プラットフォームでは、マイナンバーカードによる公的個人認証の活用を想定。スマートフォンなどから同プラットフォームにアクセスし、自治体やインフラ企業をはじめ、地銀以外も含む銀行に対する手続きを一度に行う仕組みを構築する。電気・ガスや税公金の口座振り替えの申し込み手続きにも対応する。将来的には、利便性の向上に向けて妊娠・出産や子育て、死亡・相続といったさまざまなライフイベントに伴う手続きを網羅することを目指す。
 全国の地銀62行が加盟する同協会は今後、デジタル庁と連携し、基盤構築の実現可能性やスキームなどの検討を推進。具体的な検討にあたっては、システム面、事務面の専門的な知見が必要となるため、これらの知見を有する電力などのインフラ事業者や民間企業などの連携を期待する。
 政府が今年6月に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」は、重点的な取り組みとして「マイナンバーカードとデジタル行政サービスで便利な暮らしを提供する」ことを盛り込み、引っ越し手続きのデジタル化をさらに推進すると共に、同手続きをデジタルで完結させる検討を行う方針を提示。引っ越しに伴う民間手続きでの住所情報の変更については、事前に本人が提供同意を示すことで、事業者が変更後の住所情報を受領できるサービスの構築に向けて、今年度以降にも検討する考えを示している。