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JERA 扇島水素構想は28年度にスタート

 JERAが、JFEホールディングス(HD)、ENEOSと共同で、計画の実現を目指す神奈川県川崎市臨海部・扇島地区での「水素・アンモニアの受入拠点およびサプライチェーン構築、供給事業」の用地となる、JFEスチール東日本製鉄所・京浜地区の土地利用方針案を、JFEHDがこのほど明らかにした。それによると、土地利用の対象範囲は、既報のように今週末の16日に予定する高炉の休止後に、扇島地区280haと周辺の74㏊、さらに南渡田地区52㏊を合わせた計406㏊のうち、JERAの東扇島火力(LNG、計200万㎾)やLNGバースなどが立地する扇島地区を、南地区(222㏊)、北地区(131㏊)に分けて整備する。JERAなど3社が計画する水素・アンモニアの受入拠点は、市が「先導エリア(70㏊)」と呼称する、南地区内の「カーボンニュートラル・エネルギーゾーン」に設ける予定で、28年度より運用を開始する。
 今後、液化水素の受け入れタンクのほか、自社火力に水素を供給するための配管の整備などについての調査を行う予定。先導エリア全体の整備完了時期は30年度を予定しており、同年度までに官民合わせて4700億円(概算投資額)が投じられるビッグプロジェクトとなる。その後、最先端インフラを備えた共用空間「シェア型都市空間(30㏊)」を、県や市の主導で35年度頃までに整備。さらに「次世代産業・複合開発拠点(40㏊)」の整備を経て、50年度に全エリアの完工を目指す。プロジェクトのスタートに向けてJERAなどは、交通アクセスの整備も進める。現在、扇島地区へのアクセスはJFEグループの私道のみとなっているため、同地区を通る首都高速道路・湾岸線の出入り口(東京、横浜の各方面に出口と入り口の計4か所)のほか、東扇島~扇島間を結ぶ一般道も整備し、水素・アンモニアの受入拠点の供用を開始する28年度までに完成させる。
 さらにシェア型都市空間には、関西電力が開発を進める空飛ぶクルマに対応した「交通結節点」も設ける予定で、同場所で「従来交通から次世代モビリティに乗り次いで、島内のほかのエリアに移動する―という『未来型のまちづくり』を行っていく」(JFEHD)考えだ。なお、製鉄所などの既設設備の解体・撤去は、全てJFEHDが行う予定で、解体費用として2200億円程度を見込んでいる。