国交省 ハイブリッドダム推進で新検討組織
国交省は、官民連携による治水機能強化と水力発電促進の両立を目指した「ハイブリッドダム構想」の実現に向けて、湯西川(利根川水系湯西川)、尾原(斐伊川水系斐伊川)、野村(肱川水系肱川)―の国直轄3ダムへの新規水力の増設に関するサウンディング型市場調査を実施するが、同調査の集約結果に基づいて電力などの事業参画を促すために、国交大臣の新たな諮問機関として「気候変動に対応したダムの機能強化のあり方に関する懇談会」をこのほど創設した。同会は「民間投資を呼び込むために既設ダムに新たな発電施設を増設する際の民間公募の方法や事業スキームについて議論する有識者組織」(水管理・国土保全局河川計画課)で、角哲也・京都大学防災研究所教授を座長に、上坂博亨・全国小水力利用推進協議会代表理事や山口嘉一・ダム技術センター理事など6氏で委員を構成する。
今月以降、定期的な会合を重ねて、最新型DX技術の活用によるダム運用の高度化について検討。治水と発電の両立可能な貯水容量のあり方や、官民連携による新たな事業スキームの可能性などを探るほか、電力やゼネコンなどを迎えて行うサウンディング型市場調査の集約結果に基づいて、早期の事業化に向けた検証作業を進める考えだ。