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中国電 立岩ダム下流に国交省が新ダム計画

 国交省中国地方整備局が建設を計画する新ダムの候補地が、中国電力の立岩ダム(太田川水系太田川)の至近地であることが、同局がこのほどまとめた「太田川水系河川整備計画(変更原案)」で明らかになった。同計画は「太田川水系における治水安全度の向上を図るための今後の指針となるもの」(同局太田川河川事務所)で、同局が18年7月豪雨を教訓に21年11月に内容を変更した。しかし、その後も豪雨災害が頻発していることから、内容をさらにブラッシュアップして、国交省が進めるダム再生事業の一環として、計画に既設ダムの有効活用と共に新規ダムの建設を盛り込んだもの。計画では、洪水調節機能の向上には、①河道掘削+築堤+引堤、②既設ダムの有効活用+河道掘削+築堤+引堤―のスキームよりも、③既設ダムの有効活用+新規ダムの建設―が「治水安全度において、コストや実現性および効果、地域社会・環境への影響などを総合的に判断して適切」と結論。具体的に、中国電管理・所有の立岩ダムの下流部を建設候補地に新ダムを設ける方針を示した。新ダムの高さや構造などについては今後、調査するほか、中国電を含む「関係機関との協議で確定する」とし、中国電の打梨水力(2・18万㎾)が取水する立岩ダムなどの既設ダムの有効活用により、近年の気候変動による影響を踏まえた洪水調節機能の向上を図る。この後、市民意見の募集や広島県知事への意見聴取を行った上で、来月中を目処に整備計画を変更。具体的な調査と検討に着手する。