関西電 ベトナムの脱炭素化支援事業を推進
関西電力は、ベトナムにおける脱炭素社会の構築に向けた取り組みを強化・推進する。滋賀県と横浜市が、それぞれ民間事業者などと連携して実施する「クアンニン省と滋賀県の都市間連携によるグリーン成長達成と脱炭素社会実現の支援事業」と「横浜市とダナン市都市間連携に基づく炭素管理制度および脱炭素技術導入による脱炭素社会構築支援事業」に参画。両事業は、環境省の「脱炭素社会実現のための都市間連携事業」として実施しており、今年度も両事業提案が、脱炭素社会の形成につながる技術、経験、ノウハウを通じて、同国の各自治体における脱炭素技術の導入・サービスの活用を後押しする取り組み―として評価され、このほど採択を受けて実施することが決まったもの。
KANSOテクノスが提案者となって、関西電、川重冷熱工業などが参画するクアンニン省での事業は、滋賀県が17年に同省と締結した「環境と経済分野における相互協力に関する覚書」に基づき、同省のグリーン成長戦略に対して行っている支援・協力を、脱炭素化の観点から強化・継続する。同省が脱炭素化に向けて検討する、様々な取り組みやニーズに対して、同県がネットゼロに向けた活動を通じて得た、知見・経験を基に支援。さらに、同県内の企業などと連携し、同省の主産業である観光業と工業の主要拠点において、脱炭素プロジェクトの実現可能性調査を行う。同プロジェクトでは、観光コースとなっている離島を中心に浄化槽を導入し、汚泥や生ごみを利用したガス発電を実施。都市部では、ホテルなどの大規模観光施設や、工業団地内の工場へ、太陽光やチラー、ボイラー導入を目指す。
一方で、ダナン市における環境関連計画の実現を図る事業では、これまでの横浜市とダナン市の連携した取り組みに、関西電をはじめ、北陸電力が昨年6月に業務提携したカーボンフリーコンサルティング、日本工営などが参画。炭素管理制度と脱炭素技術の導入を新たに計画しており、工業団地へのエネルギーマネジメントシステム、太陽光導入などを通じて、脱炭素技術によるJCM事業化を目指す。