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エネ庁 高度化義務で達成率80%基準に配慮

 経産省エネ庁は、高度化法義務達成市場における22年度第4回オークションを目前に控え、30年度非化石電源比率目標の未達事業者に対する配慮措置の判断基準として、同目標の「達成率80%」を適用する方針を固めた。同オークションは、20~22年度を対象とする第1フェーズの最終オークションとなるが、既報の通り現在、非FIT証書の需要が供給量を大きく上回り、最終オークションでは希望量を購入できないことが見込まれている。そのため同庁は、同市場の取り引き参加者に対して行った緊急アンケートなどの結果を踏まえて、現在の調達環境や証書の供出余力について改めて確認し、配慮措置を講じる方向で具体的に検討。同措置の適用基準と事業者の公表方法を提案したもの。
 同庁は、目標対象事業者の達成率について把握するため、第1フェーズの目標達成率見込みに応じて、22年度見込みを含む3か年平均が①100%以上、②80%以上100%未満、③80%未満―の3つのグループに分類し、それぞれの各年度の達成率を可視化した。その結果、②のグループについては、3か年平均では目標未達となるが、過去2年間は概ね達成しており、22年度における非FIT非化石証書の需給逼迫により、やむを得ず3か年平均の目標達成が困難になった―と判断。販売電力量の大きさと達成率の相関性は認められないことなども踏まえて、事業者の販売規模によらず評価できる達成率を、配慮措置の判断指標とし、達成率が80%以上に達している事業者の調達努力を考慮して、同措置の適用基準を80%に設定する考えを示した。
 また、第1フェーズの達成状況については、達成・未達配慮・未達成―の3カテゴリに分類して公表。達成率が配慮措置基準より小さい場合でも、20、21年度の調達状況や、著しく低い価格での入札の有無、相対取り引きによる購入努力といった、考慮すべき事項が認められる場合は、その
旨を注記する。未達配慮グループでは、事業者の購入努力を可視化するため、事業者ごとの達成率も表記する見通し。