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NEDO IGCCでバイオマス燃料混合へ

 NEDOは、石炭火力のさらなる脱炭素化を目指して、CO2分離・回収型の石炭ガス化複合発電(IGCC)における、バイオマス燃料混合に必要な技術開発に本格的に乗り出す。第6次エネルギー基本計画は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う調整電源としての役割りを期待する石炭火力について、電源構成比では低減させる一方で、脱炭素化を見据えて、次世代の高効率火力技術であるIGCCや、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)などの技術開発を推進することを提示。石炭火力の高効率化と共に、CO2排出削減を目指す技術開発の必要性が大きくなる中でNEDOは、世界的にも例が無いIGCCにおけるバイオマス燃料混合の早期実現に向けた要素・実用化研究を加速する。
 具体的には、同IGCCシステムでのバイオマス混合ガス化技術の実現に求められる、燃料供給、ガス化、微量物質挙動などの要素技術に関して、基礎データを収集・分析することでバイオマス混合比50%(熱量比)の実現に向けた技術的課題を抽出。IGCCの燃料供給系は、従来の微粉炭火力と比較して燃料の粒径が小さく、供給システムのパイプ径も細いなどの違いがある。そのため、バイオマス混合比率の偏りや変動を検出し補正することで、バイオマス・石炭混合燃料の安定供給につなげる。また、バイオマス混合比率の高い共ガス化に向けた、ガス化パラメータを検証。混合燃料を共ガス化した際のスラグ安定流下、炉壁スラグコーティング、炉内温度分布といったガス化炉の安定運転に寄与する運転パラメータについて、基礎データを収集するなどの要素研究を進め、実用化研究に反映する。
 さらに、社会実装に関する実用化研究では、バイオマス燃料を大規模導入した条件で運転する場合の運用性を確認すると共に、システム全体へのバイオマス燃料の影響と、その対応手法の妥当性を確認する。NEDOはこれらの技術開発について、来年度から2年間にわたり委託・助成事業として、それぞれ21億円、46億円の予算規模で実施する。