規制委 高経年化安全規制の概要へ意見募集
原子力規制委員会は、年明けの1月20日まで、高経年化した原子力に対する安全規制について、科学的・技術的意見を募集する。原子力利用政策の観点から、経産省が原子力の運転期間に関する制度を改正する方針を示したのを受けて、高経年化原子力への安全規制を引き続き厳格に実施するための法的な枠組みについて整理。同原子力に関する「安全規制の概要(案)」として提示し、広く意見を募集するもの。同意見募集の結果と、このほど実施した原子力事業者などとの意見交換の結果を踏まえて、引き続き検討を加えた上で、改めて同原子力の安全規制案を示す考え。
高経年化原子力に関して規制委は、運開後30年を超えて運転する場合は、10年以内ごとに施設の劣化を管理するための長期施設管理計画(仮称)を策定し、規制委の認可を受けることを求める。同計画の変更については、軽微なものを除いて、同施設の劣化状況に関する技術的な評価を実施すると共に、同評価の方法や劣化を管理するための措置などを、同計画に記載することを定める。同計画の認可は、〇劣化評価が適確に実施されている、〇劣化を管理するための措置が災害の防止上支障がないものである、〇計画期間に生じる劣化を考慮しても技術基準に適合する―といったいずれの基準にも適合していることが要件。事業者が講じる劣化管理措置は、原子力規制検査の対象となる。
なお、規制委は、〇新制度施行までの一定の期間中に、長期施設管理計画の申請・認可を可能とする、〇新制度の施行前に受けた認可は、新制度の施行日に、新制度下での認可とみなす、〇新制度の施行前に認可を受けていない場合は、新制度の施行日に、新制度下の申請とみなす―などの経過措置を設け、新たな制度への円滑な移行を図る考え。