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エネ庁 廃炉人材確保へ分析サポートチーム

 経産省エネ庁は、福島第一原子力の廃炉に必要な分析体制の強化に向けて、東京電力ホールディングス(HD)をはじめ原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)、日本原子力研究開発機構(JAEA)などの関係機関と連携し、オールジャパンで早急な課題解決に取り組む。廃炉で大量に発生する廃棄物の保管・管理、その後の処理・処分では、効率的・戦略的に廃棄物の性状を把握することが必要となり、東電HDは、時間軸に沿った分析ニーズを洗い出した上で、分析計画を検討すると共に、同ニーズに基づき、高度な技術・技能を有する人材の具体的能力の明確化、必要人数の規模・必要時期の定量化を実施。さらに、同ニーズに合わせて、JAEA放射性物質分析・研究施設第1棟では、分析計画に基づく廃棄物分析を本格的に開始するための分析施設の準備を行っているところ。東電HDにおいても、燃料デブリや廃棄物分析を実施する総合分析施設について、20年代後半の竣工を目指して設計を開始している。
 一方で同庁は、東電HDによる、高度な分析技術人材の育成・確保を支援するため、専属サポートチームとして、国内の分析実務の豊富な経験・知見を有する研究者、技術者を集約した「分析サポートチーム」を組織する。東電HD内にこれらの分析技術者が確保されるまでの間、分析に関する知見を有する国内機関の協力を得て、廃炉作業を円滑に進めるためのサポート体制を整備する方針を示した。具体的には、デブリ、廃棄物などの分野ごとに、廃炉作業の進捗に伴う分析・評価の過程で生じた課題の解決や、分析結果の評価などについて相談できる専門家を、東電HDとNDFがリストアップするプロセスを今年度中に実施し、来年度からサポートチームによる取り組みを開始する。
 また、JAEAなどが、中長期的に必要となる分析手法の開発を行っていることを踏まえて、同事業を実施する施設に東電HDから、将来の分析技術者候補を派遣すると共に、JAEAで将来を担う若手研究者も参加させるなど分析の着実な遂行に向けた高度人材の育成・確保を強化する。