国交省 無電柱化工事で設計・施工を包括発注
国交省北陸地方整備局は、無電柱化工事の工期短縮を目指した「設計・施工包括発注方式」の導入効果を探る試行を開始した。これまで分離発注していた設計と施工を一括発注に改め、同業務の委託事業者が電力など関係機関との協議も合わせて担務することで事業期間の短縮につなげるもの。モデル事業として、新潟国道事務所が東北電力ネットワークや東北インテリジェント通信などの協力を得て、新潟市で施工中の「大通西電線共同溝工事」を設定。同工事の設計と施工を一括受注した本間道路が、東北電グループのほか、NTTドコモや新潟県警など工事関係機関と設計・施工の各段階において直接調整を進めている。この結果「関係者間の質疑にかかっていた応答時間が短縮され、発注側としても調整に割く時間が減少した」(同所)という。
同試行の成果については、新潟国道事務所が新潟市でこのほど開催した事業研究発表会の中で報告され「従来の設計・施工分割の一般的な発注方式に比べて約9か月の工期短縮が期待できる」との効果を明らかにした。一方、課題として「調整に想定以上の時間がかかるため、本体工事の設計と道路占用者の移設工事設計を同時に進行できなかった」点も報告された。北陸整備局は今後、来年2月末に予定する同工事の完工を待って、今回の試行の最終的な検証を行って同スキームの実用性・汎用性を高めた上で、設計・施工一括発注を無電柱化工事に本格導入していく考えだ。