北海道電 環境省の脱炭素先行地域募集に応募
北海道電力は、北海道、北海道ガス、北海道大学などと共同で、環境省の「脱炭素先行地域募集」に応募した。脱炭素先行地域は「30年度までに民生部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを実現すると共に、運輸部門などの温室効果ガス排出削減についても、日本全体の30年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域」(同省大臣官房地域脱炭素事業推進課)を指し、昨年閣議決定された政府の「地球温暖化対策計画」の中で、100か所の同地域を設ける―との方針が示されている。北海道電などは、道が推進する脱炭素プロジェクト「ゼロカーボン北海道(50年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す取り組み)」をベースに、風力や太陽光、中小水力のシェアがいずれも全国都道府県中トップであり、さらに地熱でも3位という極めて高い再生可能エネルギー分野の導入ポテンシャルに加えて、森林面積も全国1位である道の長所を踏まえ、再エネと森林など吸収源の活用により、脱炭素化と経済の活性化、持続可能な地域づくりを産学官が協力して同時に進める―との考えを提案した。具体的には、札幌市を中心とした都心部での再エネの導入拡大と建築物の省エネ推進のほか、港湾部でのグリーン水素の積極活用など「エネルギー」に加えて「デジタル」と「食」にも機軸を置く、道の地域・環境特性を活かした脱炭素戦略を盛り込んだ。
これを受けて環境省は、有識者でつくる脱炭素先行地域評価委員会での審査を経て、来月中に同地域を選定する。なお、7月26日~8月26日に行った今回の公募に先立って、今年1月25日~2月21日に実施した第1回の同地域募集には、全国から79件の申請があり、東京電力パワーグリッドの埼玉総支社とさいたま市、埼玉大学、芝浦工業大学の共同提案、関西電力と兵庫県姫路市の共同提案、東邦ガスと名古屋市の共同提案を含む計26件の提案が採択されており、北海道からは石狩市、上士幌町、鹿追町が採択された。
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