日本CCS 輸送実証へ液化CO2受入設備着工
10電力、Jパワーをはじめエネルギー関連事業者など計34社が出資する日本CCS調査は、北海道苫小牧市を中心に実施する「CO2船舶輸送に関する研究開発および実証事業」について、24年度からの実証に向けて取り組みを推進する。同事業は、NEDOの委託を受けて、エンジニアリング協会、伊藤忠商事、日本製鉄との4社共同で実施。関西電力の舞鶴石炭火力(計180万㎾)の敷地内に、CO2液化・払い出し設備を持つ出荷基地を建設し、同基地から船舶輸送を経て、北海道電力の苫小牧火力(重原油・天然ガス、25万㎾)敷地内に建設予定のCO2貯蔵タンクで、液化CO21000t程度を受け入れる、一貫輸送システムの実証を行うもの。実証船を年間10航海程度運航し、年間1万t規模の船舶輸送を見込んでおり、30年頃のCCUSの社会実装に向けて、工場や発電所から排出されたCO2を、供給地点から利用・貯留地点へ、年間100万t規模で長距離・大量輸送することを想定する。CCUSを目的とした液化CO2の船舶輸送実証は、世界で初めてとなる見通し。電力各社の協力を得て日本CCSは、同事業を通じてCO2の長距離・大量輸送と低コスト化につながる輸送技術の確立を目指しており、実証のうち陸上設備の建設・運営を担務。このほど、同市真砂町に建設する液化CO2受け入れ設備を着工した。
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