東京都 再エネ供給割合拡大へ事業者後押し
東京都は、都内における再生可能エネルギーの導入拡大を図るため、16年に策定した環境基本計画を改定し、30年目標として「再エネ電力利用割合50%程度」「太陽光導入量200万㎾以上」を盛り込む方針を固めた。このほど開催された環境審議会企画政策部会において、同基本計画に関する中間答申の素案が示され、都が目指す50年CO2排出実質ゼロ、30年までのCO2排出量50%削減―の両目標の実現には、30年までの行動が極めて重要であることを確認。30年目標を強化する必要性を示し、従来以上に加速させるべき施策として、再エネの基幹エネルギー化を第1に挙げた。
50年のあるべき姿として、都内のあらゆる分野で使用するエネルギーについて、再エネを基幹とする脱炭素エネルギーに転換することを求めており、現行の30年目標とする再エネ電力利用割合30%を50%に、太陽光導入量を130万㎾以上から200万㎾以上に、それぞれ引き上げることを示したもの。都内における再エネ電力の利用割合は、19年度に17・3%となり、12年度から7年間で3倍程度増加。その大部分は、系統を通じて都外から供給されており、同素案では、電気事業者による供給電力の再エネ利用割合をさらに拡大すると共に、都内の再エネ導入を最大限高めることが必要―と指摘。さらに、19年度の都内太陽光導入量は61万㎾、再エネ利用率が50%を超える電力供給事業者は15社(約6%)に留まっている状況を示した。
その上で、電気事業者に対しては、再エネの供給拡大に積極的に取り組む事業者への後押しを通じて、都内に供給される電力に占める再エネ割合の拡大を促す必要性を提示。都内に電気を供給する小売り電気事業者などに対して、再エネ電力の供給を促進してきた「エネルギー環境計画書制度」について、〇再エネ電力割合の高い電力供給事業者の拡大・誘導、〇多様な再エネ電力メニューから選択できる環境の整備、〇意欲的に取り組む事業者を後押しする仕組みの構築―などの観点から、強化・拡充することを求めた。同素案を受けて都は今後、同審議会の議論やパブリックコメントを経て、今年度中の基本計画改定を目指す。