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関電工 マイクロGが国土強靭事例集に掲載

 関電工が実施するマイクログリッド構築事業が、内閣官房がこのほど作成した「国土強靭化に関する民間の取り組み事例集」に掲載された。同事例集は、国土強靭化に向けた先導的な取り組みを収集したもので、自分を守るための初動体制の構築、サプライチェーンの継続、エネルギー供給の継続、顧客を守るためのレジリエンスに特化した商品・サービス、地域を守ることを目的とした普及啓発・人材育成―などに各事例を分類。先進的な取り組みの概要や新たに実施する上で参考となる工夫・苦労した点、平時の活用方法、防災以外の効果―といった情報を掲載している。
 このうち関電工が千葉県いすみ市で実施する「太陽光発電設備を活用し、自治体の災害拠点へ電力供給を行うマイクログリッド構築事業」は、エネルギー供給を継続するための非常用電源・燃料などを確保する先導事例として取り上げられた。LPガスを燃料とする独自開発の発電機を活用した地域マイクログリッドの構築により、防災・減災などの地域課題の解決に寄与する事業への参画を指向していた同社は、災害時拠点の停電対策を検討していた同市と共同で、昨年から同事業に着手。指定避難所の中学校に太陽光とLPガス発電機、蓄電池を設置すると共に、災害時拠点である市役所などへの電力供給システムを構築し、23年2月の運用開始を目指した取り組みを進めているところ。
 同事例集では、同取り組みにより災害時拠点の市役所、指定避難所の中学校に対して、約4日間の電力供給が可能となる上、燃料の補給によりさらに継続的に電力供給が可能であることを紹介。LPガスを燃料に用いるため、交通や物流が途絶える危険性がある大規模災害時でも、燃料補給が可能なことを説明する。また、同社は運用開始後に、同市や東京電力パワーグリッドと共同で、年に1回のマイクログリッドの発動を想定した避難訓練の実施を予定するほか、全国展開に向けた費用負担や、運用主体の在り方の検討、停電からのマイクログリッド起動(ブラックスタート)などの技術的課題の解決を図る考えを示している。