エネ庁 地域マイクロG補助金の改善を検討
経産省エネ庁は、今年4月からの配電事業制度などの施行を見据えて、地域マイクログリッド(G)の構築を支援する補助金事業の今後の在り方について検討する。地域に立地する再生可能エネルギーを活用し、平常時は下位系統の潮流を把握すると共に、災害などに伴う大規模停電時には、自立して電力を供給できる地域マイクロGの普及により、地域のレジリエンスを向上。さらに、新たに導入される配電事業、アグリゲーターなどの制度と組み合わせることで、マイクロG内の分散型リソースの地産地消や、太陽光など再エネの有効活用を図るもの。地域マイクロGの構築事業者には、配電事業への参入を検討している事業者も散見され、多くの事業者が収益の確保を課題としている。そのため同庁は、同補助金の効果的・効率的な運用を検討し、構築事業者の配電事業などへの参入を後押しする考え。
同支援事業の具体的な改善案として同庁は、地域マイクロGの構築に向けた「導入プラン」を策定していない事業者であっても、同支援事業に申請できることを明示するため、マイクロGの全体設計を検討するにあたって必要な費用を補助対象とするほか、同対象に地域マイクロGを構築する上で真に必要な、シミュレーションや試験を加えることなどを検討。また、構築事業者の協力を得て、今後計画される地域マイクロGの運用訓練の模様や結果、地域マイクロGの構築・配電ライセンスの取得に有用な知見を収集し、構築事業者・導入プラン策定事業者などへ共有を図る。
これらの改善案を基に同庁は、今後の同補助金要件などについて検討した上で、今年度補正予算29・5億円を充てた公募を開始する。なお今年度、環境共創イニシアチブに委託した同支援事業では、関電工など4事業者を採択し、補助率3分の2以内、上限6億円を条件に補助金を交付。関電工は千葉県いすみ市において、災害などによる大規模停電時の防災拠点となる、市役所・中学校などへ太陽光設備をはじめ、LPガスエンジン発電機(50㎾×2台)、蓄電池などの設置を予定しており、同市と東京電力パワーグリッドでコンソーシアム協定を締結。現在、マイクロG発動時の手順や役割、責任分担などの詳細を協議している。