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経産省 カーボンクレジット活性化の論点整理

 経産省は、カーボン・クレジットの取り引き活性化に向けた課題を示し、対応する論点について整理した。既報の通り、このほどカーボン・クレジット検討会を立ち上げ、同クレジットを通じた炭素削減価値について、カーボンニュートラルの実現や「経済と環境の好循環」につなげるための議論を開始。今後、カーボン・クレジットに関する政策対応と、同クレジットを扱う新たな市場の在り方に関する検討を進め、来年春頃を目途に「カーボン・クレジット・レポート(仮)」として検討結果を取りまとめる。このうち政策対応に関しては、カーボン・クレジットの位置付けや活用、取り引き活性化に向けた環境整備などの在り方について基本的な整理を行い、国内制度における各種クレジットの取り扱いも含めて、方向性を明確化させる。
 カーボン・クレジット活性化の課題について同省は、クレジットの需要・供給・流通の観点から提示。具体的には、〇クレジット活用の方法が十分に整理されていない、〇何を調達すれば良いか判断し難い、〇将来インベントリに反映され得る取り組みであってもクレジット創出という形での推進ができない、〇相対取り引きが主で、明示的カーボンプライスとして十分に機能していない―などの課題例を挙げた。その上で、国内各種制度での取り扱いや、クレジット活用の価値訴求といった論点に対する考えを示した。
 国内における各種制度での同クレジットの取り扱いに関しては、クレジットのうち日本の削減目標(NDC)達成に活用できるクレジットを、企業の直接排出量削減において優先的に活用。さらに、相当調整されていない海外の「ボランタリークレジット」など、NDCに活用できないクレジットについても、将来的な排出量削減や国への裨益といった観点から、一定の質が確保できるものに関しては、サプライチェーン排出の削減に活用されることが望ましい―との考えを示した。また、クレジットを活用した取り組みの価値を、ステークホルダーや需要家に訴求できることが重要―と指摘。オフセットを行った排出量に留まらず、その他の付加価値も含めた情報提供を行うことを推奨する考えで、その際の留意事項を整理する必要性を示している。