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JAEA 今後10年テーマに福島研究報告会

 日本原子力研究開発機構(JAEA)は12月7日、福島県双葉郡の富岡町文化交流センターで、福島研究開発部門成果報告会を開催する。福島第一原子力の廃止措置と福島県内の環境回復に向けた研究開発成果について、各部門から報告すると共に、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の山名元・理事長と、東京大学大学院情報学環の開沼博・准教授が講演。さらに、今後10年において同機構の廃炉研究開発で求められるもの―をテーマに有識者が意見を交わす。
 JAEAは、廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)、大熊分析・研究センター、楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)などを同県内の研究開発拠点として、福一事故直後から研究開発に取り組むと共に、地域の将来を担う人材育成や企業との連携を通じて復興に貢献。同報告会の開催に併せて、CLADSの施設公開も予定している。
 一方で、来年度から29年度までの次期中長期目標期間を見据えて、「原子力安全の継続的改善と原子力防災の実効性向上」につながる安全研究戦略の見直しを検討しており、その結果を「JAEA研究開発報告書」として年内にも発行する見通し。同戦略の見直しでは、内外との連携を活用し、原子力安全に関わる情勢を踏まえた重要度・ニーズを意識した課題対応型研究と、今後の規制動向や新技術の導入を見据えた先進・先導的研究を効率的・効果的に展開することを提示。さらに、リスク情報を活用した安全確保と規制のための方策を積極的に提案するなど、社会への実装を目指して、質の高い研究成果を創出する方針を示す。また、新たな研究課題への取り組みを通して、安全研究・防災支援分野の人材育成、技術基盤といった、プラットフォーム機能の提供を進めるなどの方向性を明らかにする。