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環境省 地熱開発加速へ地域連携構築に注力

 環境省は、温泉を活用した熱供給や発電事業といった、地域共生型地熱利用の拡大を図るため、来年度から新たに、「地域との密接なパートナーシップの構築」に向けた取り組みを開始する。安定的な電力供給が可能な再生可能エネルギーとして、地熱の推進は50年のカーボンニュートラル実現に重要―との判断に基づき、今年4月に「地熱開発加速プラン」を発表。地熱開発プロジェクトの促進を目指して、自然公園法や温泉法の運用見直しに加えて、同省自らが率先して行動する方針を示した。地域の自然や社会と共存した自律分散型エネルギーとして、有望地域の脱炭素化や経済活性化につなげることも期待しており、円滑な地域調整による案件開発の加速化により、全国の地熱施設数を30年までに倍増させる―などの目標を同プランで掲げた。
 同目標の達成に向けて同省は、来年度から新たに「地域共生型地熱利活用に向けた方策等検討事業」を開始。3年間をかけて温泉モニタリングによるデータの集約、管理・評価、公開の仕組みを構築し、地熱開発に対する地域・温泉事業者の不安解消を図ると共に、温泉熱ポテンシャルの把握を行う。さらに、地産地消型・地元裨益型の地熱利活用の在り方や、周辺の自然環境・景観への影響低減策の検討、地域共生型資源探査による地熱ポテンシャル特定の加速化などを通じて、地熱開発、温泉熱利活用を推進する。