10電力 でんき予報による逼迫時情報を充実
電力10社は、昨冬の需給逼迫を踏まえて「でんき予報」による情報発信を強化する。でんき予報は、東日本大震災直後に計画停電や節電要請などを実施した際に、その効果や節電の加減を測る指標として創設。各地域で日々のピーク需要をまかなう供給力の確保状況を提供し、発電・小売り事業者や需要家の行動に多大な影響を与えている。一方で昨冬の需給逼迫に際しては、表示の更新が間に合わず、実際の供給力と乖離した需給状況が発信される事態が発生。同事態を踏まえて経産省エネ庁を中心に、同予報を通じた情報発信の在り方に関する検討が行われ、各電力に対しては、平時から表示内容に一層配慮することが求められると共に、わずかな時間差で更新が遅れる場合などに備えて、実態と表示が乖離する要因となり得る要素について、予め説明を付しておくことが重要―との考えが示された。
これらの指摘を踏まえて10社は、需給逼迫時における他エリアからの融通や揚水発電などの追加供給力を、でんき予報に反映させることが間に合わない場合の対応として、需要家に対して安定供給できる見通しを伝えるメッセージを、でんき予報のトップページに掲載する。また、実際の供給力よりも表示が過大なケースを回避するため、同予報に表示した供給力に織り込まれている、揚水の潜在出力や燃料制約下での供給余力といった要素を具体的に付記。表示する電力使用率には、足下の供給力に直結しないリスクが含まれており、需給が悪化する可能性があることを併せて明記するなど、予報メッセージのさらなる明確化を図る。