東電設計 比で台風被災小水力の運転再開を支援
東電設計は7月より、フィリピンのイフガオ州で、同州政府が管理・所有する公営小水力(820㎾)の運転再開を目指した国際貢献事業を開始する。支援の対象となる小水力は、日本政府の無償資金協力で15年に建設・運開したが、18年7~9月に同州を襲った台風によって発生した地滑りで、導水路にひび割れなどの損傷を受けたため、現在は運転を停止している。同小水力が立地するイフガオ州は「同国において最も電化率の低い州」(JICA)であるために、比政府からの運転再開への支援を求める要請に応え、同分野で豊富な知見を持つ東電設計に委託して、損傷原因などを現地調査によって特定させると共に、施設・機材の両修復計画も策定し、小水力の運転再開を後押しする。
加えて、事業主体であるイフガオ州政府と同州電力供給組合が交わしている売電契約に不備があったことから、売電価格を審査・決定する比エネルギー規制委員会が現在、両者間の売電契約を「不承認」している現状を踏まえ、同問題についても、州政府に助言を行って契約承認に向けた側面支援を行う。東電設計は、これら調査と支援業務を含めたJICAプロジェクト「イフガオ州小水力発電計画フォローアップ協力」事業を、7月19日~11月26日まで行う。