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エネ庁 小売り事業者の省エネGL遵守公表

 経産省エネ庁は、一般消費者の省エネルギーに向けた行動を加速させるため、エネルギー小売り事業者に求める取り組みを示した指針・ガイドライン(GL)の見直しに関して、来年1月を目途に改正指針・GL案を取りまとめ、同4月にも施行する方針を固めた。省エネ法に基づきこれまでに、同事業者による省エネ情報の提供について「一般消費者に対するエネルギーの供給の事業を行う者が講ずべき措置に関する指針」で定めると共に、同情報提供の際の規範となる「エネルギー小売り事業者の省エネGL」を整備しており、昨年度から同GL検討会を通じて、一般消費者へのアンケート結果などを基に同指針・GLの見直しを議論。同議論を踏まえて同庁はこのほど、指針の努力義務事項に「類似世帯比較」と「情報の集約性」を追加すると共に、事業者が情報提供を行う際に留意すべき事項をより明確化するため、GLの見直しについて整理したもの。

 同指針の改定では、類似世帯との比較情報を提供することと、省エネにつながる情報を一つの媒体に集約して提供することを、新たに努力義務事項に明記。情報提供時の留意事項として、同GLには、〇居住地域・世帯人数の情報に基づいた比較基準の提示、〇エネルギー使用量が比較的小さい世帯へのメッセージの工夫といった慎重な情報提供、〇省エネをしなかったことによる追加的な出費など「損失感」の演出―を可能な範囲で行うことを定める。また同庁は、エネルギー消費量を可視化する情報と、省エネ行動を促す情報を消費者が組み合わせて閲覧することで、省エネ行動につながる可能性を指摘。一方で、過度な情報提供が省エネ行動の意欲を低下させる可能性や、情報提供に掛かる事業者のコストについても勘案し、情報の集約性に関しては、ウェブページやスマートフォンアプリと、紙面などの情報提供に分けて定義した上で、各対応をGLに示す。

 さらに、「使い放題プラン」や一定の料金単価を用いたプランでは、「使えば使うほどお得」などの消費者の増エネを促すような表現が散見されるため、これらの表現を是正することをGLに提示する。努力義務の徹底に向けて同庁は今後、小売り契約件数が30万件を超える事業者に関して、特定可能な範囲で同庁ホームページで公表し、努力義務の対象事業者と遵守事業者を可視化する考え。