環境省 除染土壌の再生利用理解へ活動強化
環境省は今月23日、東京都港区の六本木ヒルズ森タワーアカデミーヒルズタワーホールにおいて、除染で発生した除去土壌に関する対話フォーラムを開催する。福島第一原子力事故の発生からこれまでの10年間にわたって、福島県で実施してきた除染、中間貯蔵施設事業や除去土壌の再生利用などについて、小泉進次郎・環境相が登壇し説明するほか、現場に携わる人々の証言などを交えて紹介した動画「福島、その先の環境へ」の上映や、有識者によるパネルディスカッションを通じて、福島の環境再生事業に対する国民理解の醸成を図る。同省は今年2月、今後の福島の復興・再生に向けた取り組みを「ふくしま、次の10年へ」と題して取りまとめており、同取り組みの一つとして、福島県内における除去土壌などの県外最終処分の実現に向けて、全国での理解醸成活動を抜本的に強化する方針を示した。
同方針を踏まえて同省は、減容・再生利用の必要性・安全性に関する国民の理解を得るため、対話集会を全国各地で開催する考えを示しており、その第一弾として同フォーラムを開催。会場の参加定員は100人だが、オンライン参加も可能で、より多くの参加を期待している。フォーラムの模様はユーチューブチャンネルでライブ配信する。
同省はこれまでに、同県南相馬市東部仮置場と飯舘村長泥地区において、除去土壌の再生利用実証を行って、空間線量率や浸透水などのモニタリングの結果から安全性を確認しており、同フォーラムでは小泉環境相が参加して「除去土壌の再生利用の安全性に関するファクトなどもしっかり分かりやすくお伝えする」(環境相)考えを示しており、パネルディスカッションを通じて、一般から寄せられた質問や参加者からの意見に答えるなど、双方向での意見交換を行う。同開催を弾みに今後、全国各地方のブロック単位で対話集会を開催すると共に、大学などと連携した講義やセミナー、環境再生事業の現地見学会などを実施し、次世代に向けた理解醸成に取り組んでいく考えを示している。
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