主な記事 詳細

過去の主な記事

東北電、関西電、九州電 スーパーシティ構想を推進

 東北電力、関西電力、九州電力をそれぞれ連携事業者に迎えた、仙台市、大阪府・市、熊本県人吉市は16日、内閣府に対して、国家戦略特区「スーパーシティ」の区域指定団体としての応募を行った。既報のように同取り組みは、構想に参画・協力する民間事業者が立案するAIやビッグデータなどの最先端技術を活用した提案に基づいて「大胆な規制緩和により次世代型未来都市を構築することで、地域経済の発展と振興を図る」(内閣府)ための官民協同プロジェクト。区域指定の応募にあたっては、特区構想の基本方針である「データ連携基盤整備事業・先端的サービスを実施する事業者候補が地方公共団体の公募により選定されている」ことが必要となるため、3自治体は東北電や関西電、九州電などから寄せられた提案を盛り込んだ事業構想案を取りまとめ、受付最終日となる16日に応募した。
 このうち、東北電や大成建設など64事業者からの31提案を盛り込んだ仙台市の「市×東北大学スーパーシティ構想」は、市内の同大青葉山キャンパスなどで学生や教職員、一般市民に対し、エネルギー・健康・医療など5分野の先端サービスを提供する―というもの。サービス利用者に、独自認証を発行し、規制緩和と官民のデータ連携により、〇再生可能エネルギーと蓄電池の活用によるレジリエントな小規模分散エネルギーの需給形成、〇地域内エネルギーマネジメントの可視化、〇電動自転車などによる新移動サービス、〇配送や清掃などの各種ロボットサービス、〇パーソナルヘルスケア(健康管理)―を提供する。さらに市と東北経済連合会(会長=海輪誠・東北電相談役)が事業パートナーとなって現在、同キャンパス内に建設を進めている、文科省の「次世代放射光施設」(23年度稼働予定)や、隣接地に整備中のサイエンスパークの取り組みとも連動させて「当市の持続的な経済成長につなげる」(市まちづくり政策局)。内閣府は今後、応募団体へのヒアリングなどを行った上で、6月下旬~7月上旬に5団体程度を選定し、スーパーシティの対象区域として指定する。なお既報のようにイーレックスなどの協力を得て、沖縄県石垣市も応募した。