エネ庁 事業者ごと接続検討情報の公開を検討
経産省エネ庁は、系統アクセスの改善を図るため、接続検討に関する情報公開や、接続検討回答書の妥当性確認を強化する仕組みを検討する。再生可能エネルギーを「円滑に最大限安価で系統連系」するためには、系統アクセス業務の改善と系統費用の抑制が重要―との判断から、このほど開催された電力・ガス基本政策小委員会の系統WGに対して、これらの課題を整理した上で検討を求めたもの。
具体的には、各一般送配電事業者による系統アクセス業務について、電力広域的運営推進機関が事業者ごとの具体的な情報を公表する仕組みを提示。現在、広域機関のホームページで公開している、国内全体の接続検討に関する検討期間実績や回答予定日の超過理由を、事業者ごとに示す方法を採り入れて、発電事業者による実態把握を促す考えを示した。広域機関が定める送配電等業務指針は、接続検討の回答期間について、接続検討申込みの受け付け日から2か月以内、または同3か月以内と定めている。一方で、19年度の接続検討実績では、4割弱の案件が3か月の同期間を超過しており、一般送配電事業者は申し込みの集中や、〇複数案の工事など合理的な設備形成の検討に時間を要している、〇上位系統増強工事の発生による検討量の増加、〇複数の先行事業者が連系しているため、最適な配電線ルート選定に時間を要した―といった「特殊検討」を超過の理由に挙げている。これらの情報については現在、全体を集約して広域機関のホームページで公開しており、同庁は、発電事業者に接続検討の「実態がより良く伝わるように結果の示し方を継続して改善することが重要」とした。
また、工事費などの情報に関して同庁は、一般送配電事業者が接続検討回答書を通じて、徹底した情報提供を行っているが、送配電関係の専門的な内容もあり、全ての系統連系希望者が自ら回答書の内容について理解することは容易ではない―と指摘。1万㎾以上の電源の接続検討に対しては、広域機関が発電事業者からの申し立てを受けて、同回答書の妥当性を確認しているが、今後の系統利用ルールの変更などを想定し、専門的な見地から妥当性を確認できるセカンドオピニオン機能の強化を図る考えを示した。具体的には、広域機関による妥当性確認の対象事業者の拡大や、疑義が生じた場合に一般送配電事業者との協議に立ち会うなど、系統連系希望者の満足度の高い対応を検討する。