中部電 尾鷲三田火力跡地にスーパーサウナ構想
中部電力が、尾鷲三田火力の跡地で計画する官民共同の地域経済振興プロジェクト「おわせSEAモデル」の一環として、同跡地に地元産ヒノキを活用した複数のサウナを備えた大型宿泊施設(スーパーサウナ)を設ける構想が浮上している。市と中部電、尾鷲商工会議所でつくる協議会が事業化を検討しているもので、同跡地に大規模サウナを誘致して全国から観光客を迎えると共に、誘客のために「新規事業として尾鷲ヒノキ製の小型プライベートサウナを制作・販売し、スーパーサウナの広告塔として活用する」(同)という2段構えのユニークな取り組みとなる。第1弾として、コンサルのホークアイ(三重県鈴鹿市)に委託して、試作品となるプライベートサウナを制作し、新製品としてのニーズを検証する実証事業を開始する。試作品の小型サウナは、幅2m×奥行き3m×高さ2mのコンパクトサイズで、トラックでの陸送が可能。更衣室付きで定員は4人。壁材に乾燥させていない生木のヒノキを用いているため「サウナに入ると芳醇な香りと共に、木が内包する水分を全身で感じることができる」(ホークアイ)という。
ホークアイは、来週完成する試作品を来月以降、クラウドファンディングのスキームを用いて販売しながら、約半年かけて小型サウナの事業性を検証する。さらにその成果を踏まえて、中部電など3者が、尾鷲三田火力の跡地に誘致するスーパーサウナの商業性に関するニーズの把握を図りながら、同事業の早期実現を目指す考えだ。なお、中部電などがイメージするスーパーサウナは、複数のサウナと風呂・露店風呂に加え、総部屋数150室以上のホテルのほか、新型コロナウイルスの感染拡大に備えたコ・ワーキングスペースや、書籍・新聞を常備した読書室、ボディケア・ヘッドスパ施設―などで構成する複合施設で、東京都豊島区に19年に開館した、人気同種施設をモデルにしている。