主な記事 詳細

過去の主な記事

環境省 CO2公表制度のオープンデータ化を推進

 環境省は、事業者の脱炭素化に向けた取り組みを後押しするため、温室効果ガス算定・報告・公表制度のデジタル化・オープンデータ化に向けた検討を進める方向性を示した。パリ協定を契機に、脱炭素化を取り込んだ企業経営が世界的に進展しており、国内においても気候変動に対応した経営戦略の開示や、脱炭素に向けた目標設定など脱炭素経営に向けた取り組みが、世界トップレベルとなる勢いで広がっている―と指摘。地球温暖化対策の推進に関する制度検討会を通じて、脱炭素化に積極的な事業者が投資家、関連事業者、消費者から評価され、グリーン投資のさらなる普及の制度的基盤として、同制度が活用されるための仕組みを検討し、このほど見直しの方向性を取りまとめた。
 同制度は、事業者がCO2排出削減に向けて、自主的に取り組むための基盤整備や、情報の公表・可視化による事業者・国民全般の自主的取り組みの促進・気運の醸成・理解増進を趣旨とするもので、同省は同制度の手続きをデジタル化することで、報告から公表までの期間を短縮し、情報の活用可能性を向上させると共に、報告者の利便性向上や負担軽減にもつなげる考え。また現在、請求に基づき開示することを求めている事業所などの情報は、地方公共団体を含めた関係者による活用可能性や利便性の向上を図るため、開示請求の手続きなく公表する方向で今後、検討を進める。
 報告された情報の公表にあたっては、電子システムを活用して投資家・消費者・地方公共団体・事業者などに利便性の高い形で情報提供する。その際、事業者全体でCO2削減の最適化を図っているため、特定地域の活動だけでは完結しない大企業や、複数の地域に事業所を有する企業については、事業所単位でのデータの単純比較は有意でない可能性があるため注意が必要―といった、情報活用上の注意事項についても併せて、事業者に情報提供を求める考え。