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電気保安協 新たな保安管理業務講習の検討加速

 電気保安協会は、来年度当初からの開始を目指して、電気主任技術者の実務経験短縮年数を代替する、新たな講習「保安管理業務講習」の検討を加速する。外部委託承認制度の要件となる、実務経験年数を見直す方針を示している経産省は、同技術者制度の解釈・運用に関する内規を改正し、今年度内にも早期施行する考え。具体的には、新たな同講習について、研修実施機関の適格性、受講申込者の取り扱い、教材・機械器具などの備え付け、科目・範囲・講習時間、講師の資格、受講希望者の募集、修了証の発行、国への修了者名簿の提出・事前要件確認などの規定を同内規に加えるもので、これを踏まえて同協会は、来年度4月下旬からの講習会開始を目指して、全国の保安協会が情報交換・共有化を行いながら、条件整備を進めているところ。
 同協会内の講習対象者は、全国で1年~2年未満が244人、2年~3年未満212人、3年以上365人で、初年度を除いて毎年、200~250人程度が対象者となる見通し。研修施設の規模にもよるが、同協会は1回の研修実施人数は10~30人を想定しており、初回は経験4年以上を優先し、順次経験年数を考慮した計画とする考え。同講習の実施に向けて、カリキュラム・講義内容や講習テキスト類の選定・作成を進めており、講習受講の担保・管理などの点で課題があるオンライン講習についても、慎重に調査・検討を行っている模様。同講習の運用では、同省が科目、範囲、講習時間などの内容を内規に定め、同内規に基づいて講習実施機関が講習を立案。同案を同省が確認した上で、講習を実施する流れとなる。一方で、保安管理業務に従事しようとする者は免状取得後、必要な時期に講習を受講して実務経験を積み、外部委託承認申請時には、設備設置者が講習修了証を添付して申請する仕組みとなる。
 なお、同省告示で規定する、同技術者の実務経験年数に関しては、免状交付後に同保安管理業務講習を修了した第2種または第3種電気主任技術者免状所有者には、実務経験年数3年以上を適用する改正を実施。同省は内規の見直しと同様に今年度内早期の改正施行を予定しており、これにより、同保安管理業務講習の修了者は、現行で第1種3年以上、第2種4年以上、第3種5年以上としている実務年数が、免状の種別によらず原則一律3年以上となる。