ATENA 重要事項焦点にした規制検査を評価
原子力エネルギー協議会(ATENA)は、今年4月の開始から半期が経過した原子力規制検査について、安全上重要な問題にフォーカスした検査が徐々に浸透しつつある―との見解を示した。検査開始当初は、明らかに安全上重要ではない問題についても事業者に詳細な確認があったが、徐々にそういったことは少なくなっている―と指摘すると共に、より良い検査制度に向けて貢献する姿勢を示した。このほど原子力規制委員会が開催した、同制度に関する意見交換会に出席し、これらの考えを述べると共に、同検査における良好事例と改善要望について報告したもの。
具体的には、①フリーアクセスにより、事業者を介することなく、検査官自らが事業者のシステムへアクセスして、QMS(品質保証)規程類やCR(状態報告)情報を確認するようになった、②検査官からの日々の質問について、事業者は書面で受領し回答する運用を検査官側から提案され、確実なコミュニケーションや実績管理ができるようになった、③チーム検査の開始会議における規制側の発言により、効率的に取り組むことができた―など3点を良好事例として示した。同会議で検査官は、質問内容に応じた臨機応変な対応や、業務への支障が生じた場合には遠慮なく申し出ること、検査について確認したいことは気軽に申し出ること―などを事業者に要望。現地検査終了後も情報交換をしたいとの考えを示しており、ATENAはこれらの発言が効率的な検査の実施につながった―と評価した。
一方で改善点として、同検査制度の運用開始前に「品質マネジメントシステムの運用」のチーム検査において、是正処置まで完了している事案についても、パフォーマンス評価をして重要度と深刻度判定がなされたが、その判定は参考として扱うことを要望。さらに、〇事業者の検討期間を考慮した事前質問表の提示時期、〇同一の検査官による「重大事故等対応訓練のシナリオ評価」と「重大事故等対応要員の訓練評価」のチーム検査の実施―を提案した。