北陸送配電 輪島市の水道スマートM導入開始
北陸電力送配電は、石川県輪島市と連携して今月から、同社のスマートメーター(SM)通信網を用いた水道SMを導入する「IoT活用推進モデル事業」を本格的に開始する。今年4月からSM用通信システムによる「IoT用通信回線サービス」を開始しており、同モデル事業において初めて、先行導入する水道SMへ同サービスを提供するもの。同市上下水道局では、18年1月の寒波に伴う宅内給水管の凍結などで、大規模断水が発生した。開栓中の空き家の確認作業に時間を要したことを教訓として、漏水を直ちに検知する災害に強い水道システムを構築するため、水道SMの導入を検討。厚労省の「生活基盤施設耐震化等交付金」を活用すると共に、システム改修がほぼ不要で導入コストの低減が図れる―ことなどを理由に、同社のサービスを利用して災害に強い水道システムの構築を決めたもの。
共同検針に向けて北陸電が独自に開発した、インターフェース変換装置「IF変換サーバー」を用いた同サービスについて北陸送配電は、〇既設システム改修を極力不要とする回線提供方法の採用、〇高い通信品質・冗長性の確保、〇広い提供エリアの確保、長期の安定的提供、〇1日1回の定期通信と随時の双方向通信が可能―といった特徴を挙げている。一方で、今月中旬から水道SMの設置を開始する輪島市は、災害時対応、業務効率化に加え、将来的な電力・ガスなど類似のライフライン事業の連携・統合などを見込んで、共同検針によるデータを活用した料金関係業務の効率化を期待。今年度は、同市の深見・白米地区などの計600件へSMを設置すると共に、来年度は輪島地区100件、翌22年度は門前地区100件での先行導入を予定しており、今年度の成果を踏まえて今後「事業費の上乗せも検討する」(同市上下水道局)考えを示している。