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東北電、東電HD 柏崎市の新規エネ事業に協力

 東北電力と東北電力ネットワーク、東京電力ホールディングス(HD)は、新潟県柏崎市の要請に応えて、市が至近年内の創設を目指す「地域エネルギー会社」の起業化プロジェクトに参加・協力する。同プロジェクトは、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの地産地消を目指して、市が策定した「新たな市の将来像となる『エネルギーのまち柏崎3.0』構想の中核をなす目玉事業」(市総合企画部電源エネルギー戦略室)で、再エネなどを活用して、地域で発電した電気を地域内の利用者に販売し、収益の一部を循環させる新たな事業スキームを構築・商用化することで地域経済の発展と振興につなげる―という取り組み。
 構想の実現に向けて市は昨年「地域エネルギー会社実現可能性調査」を日揮と日本エヌ・ユー・エスに委託して実施。さらに計画の推進支援と関係者との合意形成のため、東北電と東電HDをメンバーに迎えた準備会を設け、プロジェクトの実現に向けた検討を進めてきた。これらを踏まえて市は、今年度より新たな計画推進組織となる「地域エネルギー会社設立検討・準備会」を立ち上げて「今夏より、事業化に向けた具体的検討を開始する」(同)ことになったもの。同準備会は、電力2社のほか、経産省関東地方整備局(オブザーバー)、県、北陸ガス、エネオス、金融機関などで構成。今年度中に計3回の会合を開いて、 電力など発電事業者との調整や、事業シミュレーション・出資額・出資者・運営体制に関する検討、会社設立書類の準備―などを行った上で、年度末に事業計画書(案)をまとめる。
 事業性がある―と判断した場合、事業主体を早期に確定させて、21年度末か22年度当初に新会社を設立し、①公共施設への供給、②エネルギーマネジメント構想の実現に向けた検討(実証事業も予定)―を開始する。ただし、計画の実現には「さらなる再エネの導入が必要となる」(同)ことから、実現可能性調査なども行って市内の未利用地を活用した新規電源の開発も進める予定。なお、事業開始当初は、既存の電力市場からの調達を基本とするが、中・長期的には「原子力などにも調達先を広げる」(同)考えだ。