国交省 北海道電が協力し雨竜川ダム再生推進
北海道電力の雨竜水力(5.1万㎾)が取水する雨竜第一、第二両ダム(石狩川水系雨竜川)に治水機能を付加して、流域自治体の洪水被害の軽減を目指す「雨竜川ダム再生事業」について審議していた国交省北海道開発局はこのほど、同事業の継続を妥当と判断し、今年度より地質調査に着手した上で「26年度中の完成を目指す」(同局雨竜川ダム調査事業所)ことを決めた。同事業は、これまで複数回にわたって大規模な洪水が発生している雨竜川流域自治体1市6町の要請を受けて、同局が17年から実施計画調査を行ってきたダム再生プロジェクト。事業着手から3年が経過し、再評価の対象となったことから、北海道開発局が21日に札幌市の第1合同庁舎で開催した今年度の第1回事業審議委員会において、事業の継続を改めて確認したもの。同事業は、雨竜第1ダムの利水容量のうち、予備放流水位以上の容量(1870万㎥)を洪水調節容量に振り替えると共に、第2ダムの堤体を現行より2.4m嵩上げして新たに630万㎥分を確保し、両ダムを合わせて計2500万㎥を洪水調整容量に充てることで、治水機能の強化につなげる。
総事業費は198億円を予定しており、これまでに第2ダムの健全性確認や周辺の地質調査などで8億円を執行。残事業費190億円のうち、ダム工事費は80億円を見込んでいる。なお、事業費の負担割合やダムの管理の在り方については今後官民で協議する。事業継続の判断を受けて今年度は、第1ダムの健全性点検や地質調査を行った上で、早期に概略設計を行って、26年度中の事業完了を目指す。