東北電 筒砂子水力建設に向け東北整備局と協議
東北電力は、鳴瀬川水系で新規事業化を計画する、筒砂子水力(仮称、最大2300㎾を予定)の着工に向けて、国交省東北地方整備局との協議を近く開始する。新水力の建設は、東北整備局が主導する「鳴瀬川総合開発事業」の一環となるもので、鳴瀬川流域の洪水被害の軽減と流水の正常機能の維持、かんがい用水の補給、発電―などを目的に、宮城県の県営ダムだった旧・筒砂子ダム(13年に事業主体を国に移管)の名称を、鳴瀬川ダムに改めた上で、同ダムを特定多目的ダムとして刷新。新ダムの計画高水流量毎秒650㎥のうち、同600㎥の洪水調節を行うほか、ダムのリニューアルに併せて、同ダムの「使用権設定予定者」である東北電が、新たに筒砂子水力を整備して発電を行う―という、総事業費1450億円の大規模プロジェクト(そのほか、県営漆沢ダムの治水専用化工事も含む)。
同事業は17年4月より、調査段階から建設段階に移っており、東北整備局は、特定多目的ダム法に基づく同事業の基本計画作成に向けて、鳴瀬川ダムの使用権設定予定者となっている東北電から意見を聴取することを決定。今後、両者で協議を重ねながら、筒砂子水力や、取水する鳴瀬川ダムの建設に向けたスケジュール、事業費の官民分担などについて意見を交換する。なお、鳴瀬川ダムは「36年度中の完工を目指す」(鳴瀬川総合開発工事事務所)という。