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経産省 環境イノベーション挑戦企業をリスト化

 経産省は、エネルギー・環境分野における技術課題、研究体制、投資促進策などを示した「革新的環境イノベーション戦略」や、日本経済団体連合会の「チャレンジ・ゼロ」により、脱炭素化社会の実現に向けたイノベーションに挑戦する企業を国内外へ発信する「ゼロエミ・チャレンジ(仮称)」制度を創設する。ESG投資が拡大する中、政府として環境イノベーションに挑戦する企業群をリスト化すると共に、国内外の投資家に投融資の際の参考材料として発信することで、同分野への民間資金の誘導を図るもの。
 昨年6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」は、環境問題の解決と経済成長を二者択一として捉えるのではなく、ビジネスの力を最大限に活用し、イノベーションを通じて気候変動問題を解決していく「環境と成長の好循環」を政策の基本的考え方としており、同省は同戦略に基づいて今年1月に革新イノベ戦略を策定。非化石エネルギー、エネルギーネットワーク、水素、カーボンリサイクル、ゼロエミ農林水産業の5分野16技術課題に関して、研究体制や投資促進策を示しており、同分野での取り組みについて、各企業における気候変動関連イニシアチブの参画状況や関連情報などを集約してリスト化し、一般に公開。39のテーマごとに社会実装へのシナリオ、市場規模などの情報を示して、企業のマッピングを行う。
 さらに同省は、これらの取り組みについて、昨年に日本主導でスタートした世界エネルギー・環境イノベーションフォーラム(ICEF)、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)サミット、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)などの国際的な場において発信するといった、戦略的な活用を想定。このほど立ち上げた「グリーンイノベーション戦略推進会議」でPDCAを行い、実現に向けた道筋や企業群を定期的に見直す考え。また、電力各社も参加し、脱炭素社会の実現に貢献するイノベーションに挑戦することを表明する取り組みとして、先月に開始された経団連のチャレンジ・ゼロとは、国内外への戦略的発信などで連携する。今秋にチャレンジ企業リストを発表し、来年度にも企業マッピングなどの詳細情報を公表する。